Friday, March 15, 2013

6 バランスを知る


わたしは明治生まれの祖父母のもとで育った時間が長かったので、
古い日本の意識もまた一つの枠として、わたしの中に存在しています。
祖母は道向かいのお店に買い物に行くときでも、少し小綺麗な服に着替えてから出かけるような人で、
常に世間の視線を気にして生きていました。
内と外、という概念が日常生活の中のあらゆる所にあり、
わたしは人様に迷惑を掛けないように、不快な想いをさせないように、と教えられてきました。

日本人のほとんどは人様という世間の目を、いつも意識の真ん中に置いて生きているような気がします。
もちろん、人様に迷惑をかけない、不快な想いをさせないことはわたし達の美徳です。
でも、プロエイジという今のありのままの自分を楽しもうという時、
その美徳が新しい一歩の邪魔をするのも感じています。

「グレイヘアは汚く見えて、人に不快な想いをさせる。」「お化粧をキチンとしていないと、マナーに反する。」
「だらっとした服装は、だらしなく見える。」

わたし達の現し方や、見る人たちの価値観で、そう言われる事もあるかもしれません。
ではグレイヘアでいながら、それほど不快なイメージを人に対して与えないにはどうすればいいか、
お化粧をどれくらいすることが自分にとっても心地いいか、どんな服装でいることが自分らしく感じられるか…

「バランスって大事だよね」
プロエイジの話をすると、たくさんの人から聞く言葉です。
いくら自分にとって自然でいても、そこになんらかの美しさや魅力を感じたい。
鏡を見る度に満足したいし、出会う人から「きれいですね」と声をかけられたら、きっと嬉しいですね。

まずは美しさのバランスを知る。
それによってわたし達は、他の人も自分自身も心地よくいられる境界線を見つけられるはずです。

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